害虫と雑草の役割 これを知ると雑草が愛しくなるかも

新緑の季節

日本の代表的な桜、ソメイヨシノの花も終わって

新緑が美しい季節に移り変わってきました。

 

緑が増えてくると害虫に関するお問い合わせも多くなります。

先日も 毎年「ヨトウムシ」と格闘しているという方からの相談がありました。

『出来れば殺虫剤には頼らずに草花や野菜を育てたいです』

 

害虫その① ヨトウ虫

夜盗虫・・・その名の通り、夜中にこっそり出て来て葉っぱや美を食べ荒らしてしまうイモムシです。 ちょうど食べごろのイチゴを食べているのはヨトウ虫なのかと思ったらナメクジだったり・・・犯人をさがしては割り箸を手に地味な駆除作業をしている方は多いハズ(/_;)

写真上がヨトウ虫 中は成虫のヨトウ蛾   (一部の画像はウィキペディアからお借りしました)

よとうむし

畑でもベランダの鉢植えでもどこでも発生して食欲旺盛なヨトウ虫です。

 

 

 

ヨトウ虫_蛾ヨトウ虫の成虫であるヨトウ蛾がヒラヒラと飛んできては1年に2回も卵を産んで繁殖します。

その卵の数は多く、蛾1匹で1000~3000も葉裏に産みつけます。

 

 

ヨトウ虫_卵

 

孵化すると大量発生するのでその被害に頭が痛い害虫です。

 

しかも、大抵は食害があってから初めてその存在に気付きます。

その食害のすさまじいこと(゜o゜)

 

ヨトウ虫の駆除方法とは

ヨトウ虫は葉裏に卵を産みつけるので、葉っぱの裏をよく観察して葉っぱごと取り除くのがベストです。

幼虫は昼間は土の中などに潜んでいるので厄介です。

 

やっかいな幼虫は米ぬかが好物。 おびき寄せて割り箸などで駆除するか、もうひとつの方法は 『むしたいじ君』

『むしたいじ君』は、天然除虫菊の粉末で、昆虫などの冷血動物には害になりますが、ほかには無害といわれています。(大量に吸い込むと心拍数があがるなど注意が必要ですが) 蚊取り線香の原料に使われています。

 

『むしたいじ君』 の粉末をバケツなどに入れてしばらく置き、その上澄液を散布します。(ジョウロの穴に詰まるので)

直接触れないと殺虫効果は無いので、潜んでいると思われる葉っぱの裏や土にはたっぷり撒きます。

ヨトウ虫の他にも土の中に潜んでいる虫にも殺虫効果があります。 ミミズにも・・・

 

musitaiji_setむしたいじ君は学校の校庭の桜への散布にも使用されています。

一緒にEMを併用したり、展着剤として『EM散布の友』を混ぜると雨などで流れてしまうのを防いでくれます。

天然ストチュウは酢、ニンニク、唐辛子などの天然成分を配合した害虫忌避剤として効果を発揮します。

 

 

害虫その② モンクロシャチホコ

モンクロシャチホコモンクロシャチホコは桜の葉をムシャムシャと、大食らいの毛虫です。

孵化したばかりの幼虫は一カ所に固まっていますが、成長と共に樹全体に広がって葉を食害します。 枝が丸ごと裸になる位の勢いです。

写真は枝に集まって食害している幼虫
モンクロの糞で赤く染まった路面2その糞害は地面が桜の葉の色素を含んでいるので地面が赤く染まった様になります。 (写真左)

 

 

 

 

モンクロシャチホコの老齢幼虫幼虫も老齢になると樹から降りてきて土に潜って蛹になり冬を越します。

見た目も気持ちが悪いですね。

その姿から存在するだけでも害虫といわれ、嫌われているのです。

こんなグロテスクなモンクロシャチホコですが、実は害虫ではありません。 毛虫ですが毒は無く人畜無害な存在なのです。

さらに桜の成長に、とても役に立っているのです。

落ち葉が分解して腐葉土になり、栄養となるには時間がかかりますが、モンクロシャチホコが大量に食べた後の糞は即効性の養分となって来春の桜が咲くための手助けとなっているのです。

桜の樹も、こういったモンクロシャチホコの食害にも枯れることはなく、沢山の葉を付けて備えているようです。

 

桜並木が見事な東京都国立市のHPでは、モンクロシャチホコに対してあえて駆除などしない方針を掲げていました。

 

 

 

雑草の役割①(コンパニオンプランツ)

畑やプランターなどにはもう一つやっかいな雑草がはびこりますが、実は雑草は作物の成長の邪魔をする為に生えているのではない・・・ってご存知でしたか!?

雑草のある畑や花壇を見ると、手入れが悪い・・・と思いがちですが、どっこいそれは間違いなのです。

 

雑草と一緒に育てていると、ヨトウ虫やナメクジなどの食害が少なくなります。 0-67背丈の低い柔らかい雑草などはナメクジなどの絶好のエサ場になりますし、キレイに除草されてしまうと害虫は作物だけを食べに来てしまいます。

敵(被害)を分散して撹乱しちゃう作戦ですね。

 

さらに、植物の種類によっては、その成長を助ける役割を果たすコンパニオンプランツとなるものも有ります。

トマト&バジルなんてスゴイ便利な組合わせです。 一緒に植えてよし、一緒に料理にしてもよし

他にもガーリックは植物全般にとって万能薬の様な存在で、その強い香りは病原菌を殺菌し、アブラムシやキクイムシなどが嫌うのでバラ、果実などと一緒に植えると良いですね。

やさしい香りのカモミールは弱った植物の傍に植えると元気にしてくれます。 カモミールを好むカマキリやテントウ虫などが棲むことで、アブラムシなどの被害からも守ってくれます。

カモミールの花は乾燥させてカモミールティーにするとすこやかな眠りを助けてくれます。畑の林檎なんて言われていますね。

 

雑草の役割②(土壌改良)

雑草はその土壌の改良にも役立っているます。

例えば、堅い土には根を深く張るイネ科の雑草が生えて、土を深くまで耕しています。

酸性の土には中和する役割を持つ雑草

空気中から窒素を取り込む雑草

ツル性の葛や、グランドカバーとなる雑草などが地表を覆って乾燥から防ぐ

土表面の温度の上昇を抑制して植物の成長や土壌に棲む有用な微生物の繁殖を守る

また、常緑の植物が生える大地では凍結などから根を守る役割もはたしています。

その土地(土)が必要としている植物(雑草)が生えているのです。

花壇

自然農法では不耕起栽培といって、草も作物もいっしょに育てたりします。

実は、せっかく茂った雑草を引き抜いて捨ててしまうなんて勿体ないのです。

雑草はその畑の栄養をたっぷり吸っているのです。捨てずに土壌に鋤きこんだり、※1青草堆肥などにして再利用するのが良いですね。

刈り取った雑草で作物を覆ってマルチしておくのも害虫や他の雑草の進入から守れますね。

 

また、雑草が一緒に沢山生えていることで、雨などの浸食から土壌を守る役割もあります。

 

 

※1 青草堆肥の作り方・・・刈り取った作物の茎、雑草、枯葉などを堆肥囲いに集めて冬の間寝かせて堆肥にします。

家畜糞などを混ぜるとより良い堆肥になります。EM活性液やボカシを併用するとさらに良い堆肥になります。